不適切行為によるSNSの炎上はなぜ起こる?企業と個人ができる対策とは

不適切行為によるSNSの炎上はなぜ起こる?企業と個人ができる対策とは 風評被害の基礎知識

SNSは便利なツールである反面、さまざまな社会問題を引き起こす発端ともなっています。特に2010年代初頭のSNS黎明期には、アルバイト従業員による不適切行為を収めた動画や画像がアップロードされ、炎上騒ぎに発展しました。

そして現在、今度は従業員ではなく、来店客という立場から不適切行為に及ぶ動画が次々に拡散され、大きな騒動となっています。なぜこのような迷惑行為の動画が次々と表面化するのか、その理由について解説するとともに、企業や店舗ができる正しい対策についても解説しましょう。また、当事者とは関係のない個人がSNSの炎上に巻き込まれた場合、どう対処すべきかもあわせて紹介します。

迷惑行為を撮影した動画がSNSで炎上

迷惑行為を撮影した動画がSNSで炎上

2023年に入り、大手回転寿司チェーン店や牛丼チェーン店をはじめとして、飲食店に訪れた客によるさまざまな迷惑行為の動画がSNS上にアップされ、大きな社会問題となっています。

これまでも、SNSに動画や画像がアップされたことで炎上に至るケースがありましたが、お店や職場に勤務するパートやアルバイトといった従業員の不適切行為が大半でした。

しかし、これらの動画の問題となっているのは、お店を訪れた客による迷惑行為であり、これまでの炎上騒ぎと変わっていることが特徴です。

従業員による不適切行為が原因であれば、企業側が従業員向けの教育や啓蒙活動を行うことである程度防ぐことはできますが、客によるこうした行為は企業が対策を強化しても完全に防ぎきることは難しいものです。

ポイント

客による迷惑動画は、従業員による迷惑動画よりも対策が困難

次々と迷惑動画がアップされる理由

次々と迷惑動画がアップされる理由

飲食店に関する動画の騒動はニュースでも大きく取り上げられたことから、多くの方が目にしたと思います。しかし、なぜこれほどまでに迷惑行為の動画が世間で非難されているにもかかわらず、次々と同様の動画が新たにSNSにアップされていくのでしょうか?

実は、迷惑行為の動画は、最初は限られた友人や知人のグループ内でのみ共有したり、一定の時間・日数が経過するとSNS上から削除される「ストーリー」という機能を利用してアップしているケースが多いです。

しかし、SNS上からデータが削除されたとしても、閲覧した友人や知人がデータを保存すると、データは残ってしまいます。その友人や知人が第三者とデータを共有したり、多くのユーザーから注目を集めようとしてSNS上にデータをアップしてしまうと一瞬で拡散され、今回のような炎上騒ぎに発展してしまうケースが多いのです。

また、拡散が目的ではなく仲間内への共有でストーリーとしてアップロードしたつもりが、誤操作で一般公開してしまい不特定多数のユーザーの目に付いてしまった、というケースも少なくありません。

ポイント

本人の目的とは無関係に第三者による拡散や不注意による拡散も含まれている

迷惑行為に対し企業がとった対応

迷惑行為に対し企業がとった対応

飲食店での炎上騒ぎでは、企業・店舗側に責任はなく、迷惑行為に及んだ客側にすべての責任があります。そのことから、被害に遭った企業や店舗を応援しようと、お店に訪れる消費者が増えることがあります。

しかし一方で、このような行為に及ぶ客が他にもいる可能性を考え、来店を控えようと考える消費者がいることも事実です。そうなると、結果的に企業は風評被害を受ける立場となります。さらに、一部の店舗で起こった事象とはいえ「ほかの店舗でも同じような行為が行われているのでは?」と考えられてしまい、他店舗の来店客数が減少してしまうことも考えられます。

そこで、大手回転寿司チェーンの中にはレーンでの商品提供を一時的に中止してオーダー注文のみに限定したり、しょうゆ差しや湯呑み、箸など、ユーザーからの希望があればスタッフがバックヤードから持ってきて、新しいものを手渡しするといった対策も行われました。

迷惑行為の動画がSNSだけでなく大手メディアでも取り上げられたことで、企業側としても十分な衛生対策をせざるを得ない状況となったのです。

企業および店舗が対策せざるを得なくなった内容
  • 再発防止のために食事の提供システムを変更
  • 防犯カメラやAIによる監視体制を強化
  • 警察に被害届を提出
  • 民事・刑事両方での訴訟を検討

一方で、今回の騒動を引き起こした当事者は未成年でしたが、被害を受けた企業は警察へ被害届を提出すると同時に、当事者とその家族に対して法的措置をとることも公表。詳細については明らかにされていませんが、刑事では威力業務妨害罪、民事では衛生対策のために生じた人件費やその他コストを損害賠償として請求される可能性も指摘されています。

このような法的措置を取ることで、今後の模倣犯への抑止力となり、再発を防ぐ狙いが企業にはあります。

最終的に、動画に登場する本人とその家族は莫大な賠償責任を背負う可能性が生じたのです。

社会問題化する迷惑行為に個人はどう対応すべきか

社会問題化する迷惑行為に個人はどう対応すべきか

飲食店の騒動の発端となったような行為を、「過去に行ったことがある」または「見たことがある」という人もいるかもしれません。しかし、ここまで騒動が大きくなる背景にはSNSの存在があります。不特定多数に見られることで騒動が大きくなり事件化する恐れもあることから、多くの人々が恐怖を覚えたことでしょう。

このような社会の中で、私たちはどのように対処すべきでしょうか。

迷惑行為は絶対にしない

まず大前提として、話題になったような迷惑行為は絶対に行わないことです。たとえ仲間内での悪ふざけや悪ノリであったとしても、店舗や他の客にとってはとても危険で迷惑な行為です。

また、たとえスマホで撮影をしていなくても、公共の場所である以上は自分の言動と行動に責任をもち、他者の権利を侵さない、店に損害を出さないことを心がける必要があります。社会の一員として、また客として正しく振舞うことが求められています。

個人特定には加担しない

SNS上で迷惑動画が拡散し炎上すると、必ずといっていいほど現れるのが「特定班」とよばれる人たちです。たとえば、顔の特徴や周囲の背景、発言の内容など、あらゆる情報から氏名や住所、連絡先、家族構成、勤務先・通学先などを特定します。

当然ながら、このような行為には加担すべきではありません。たとえば、顔の特徴や周囲の背景などを頼りにインターネット上で情報を収集しても、それが本当の情報なのか断定するには根拠が不十分であることが多いためです。

根拠が薄いまま個人を特定し、万が一その人が別人であった場合、逆に名誉毀損やプライバシーの侵害などで訴えられる可能性があるのです。

個人や関係者に対して誹謗中傷は行わない

個人の特定と同様に、やってはいけないのが本人や関係者に対する誹謗中傷です。たとえ投げかけた言葉が事実であったとしても、あまりにも執拗に攻撃したり、人格まで否定するような過激な言葉を用いてしまうと、誹謗中傷に該当するおそれがあります。

また、本人だけでなく、家族や勤務先の企業、通学先の学校にまで攻撃を行った場合も、誹謗中傷や名誉棄損として訴えられる可能性があります。

個人が注意すべきこと
  1. 迷惑行為は絶対にしない
  2. 迷惑行為の個人を特定する行為に加担しない
  3. 個人情報を拡散しない
  4. 個人や関係者に対する誹謗中傷を行わない

迷惑行為に悩む企業はどう対処すべきか?

迷惑行為に悩む企業はどう対処すべきか?

飲食店の騒動の場合、迷惑行為を受けた企業や店舗は、「SNSで拡散することが問題解決の近道になるのでは?」と感じるかもしれません。しかし、被害を受けた企業や店舗が拡散や炎上を看過してはいけません

まず、迷惑行為に及んでいる来店客がいた場合は、「◯◯をしないようにお願いします」といったように依頼形で注意し、それでも迷惑行為におよぶ場合には「これ以上繰り返すようであれば警察を呼ぶ」旨の警告を出し、毅然と対応しましょう。

また、店内に防犯カメラを設置する、「迷惑行為に及んだ場合には警察へ通報、または法的措置を講じます。」といった警告文を掲示しておく、ということも抑止力となります。ただし、このような警告文は来店客に対して恐怖心を与えることも考えられるため、「防犯カメラ設置店」程度に留めておいても良いかもしれません。

迷惑行為対策として重要なのは、そのような行為を未然に防ぐ対策を講じておくことであり、環境を整えることで無用なトラブルや損失を減らすことにもつながります。

企業・店舗ができる対策と対処
  1. 防犯カメラを設置
  2. 警告文を掲示
  3. 迷惑行為への注意と警告
企業・店舗がやってはいけないこと
  1. 迷惑行為を放置
  2. 迷惑行為を撮影して拡散
  3. 拡散された動画の放置

誤った情報をもとに誹謗中傷や風評被害に遭った場合の正しい対処法とは

誤った情報をもとに誹謗中傷や風評被害に遭った場合の正しい対処法とは

上記で紹介した対処方法は企業や店舗がとれる対策の一例ですが、個人が思いもよらないトラブルに巻き込まれることも考えられます。たとえば、自分は当事者とは無関係であるにもかかわらず、迷惑行為に及んだ犯人として特定され、誹謗中傷の被害に遭うケースです。

SNSに掲載した顔写真や年齢、出身地および居住地などが近いという理由で、無関係であるのに当事者として特定されることがあります。ある日突然このような事態に巻き込まれると、多くの人は戸惑い、どう対処すれば良いのか分からなくなるでしょう。

SNSで「自分は無関係です」と公表しても、すべてのユーザーがそれを信じてくれるとは限らず、何を言っても無意味のように感じられることもあるはずです。

もし、このような誹謗中傷の被害に遭った場合には、自分自身で解決しようとするのではなく、できる限り専門家に頼ることがおすすめです。ネットの誹謗中傷や風評被害への対策を専門に行っている業者も存在し、そこへ依頼することで迅速かつ適正な対処をしてもらえます。

仮に法的措置を講じる必要があれば、弁護士など法律の専門家と連携することも可能であり、自分ひとりでは解決できないようなことも迅速に対応し心強い味方となってくれるでしょう。

自分自身で解決しようせず、早めに専門家に相談しましょう。

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企業、店舗の方で、Googleマップで風評被害に遭っている場合は「Googleマップの口コミ削除はどうやって依頼する?削除方法を詳しく解説」のコラムも参考にしてください。
また、SNSの扱い方や注意する点が気になる方は「「いいね」や「リツイート」だけで誹謗中傷に?正しいSNSの使い方とは」の記事で詳しく解説しておりますので併せてご覧ください。

この記事の編集者

リスタート編集部

WEBマーケティング歴12年のエキスパートにお任せ

リスタート編集部ではネット上の誹謗中傷・風評被害でお悩みの方をサポートするためにコラムを公開しております。インターネットによる誹謗中傷は対策が難しく、また不特定多数の目に留まりやすい為イジメの原因になったり就職や入学への影響が出る可能性もあります。放っておくと被害が増える一方なので絶対に泣き寝入りしないでください。5ちゃんなどの掲示板、サジェスト、Google Mapsの口コミなど、どんなご相談内容でも承ります。相談料は無料です。

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