インターネットやSNSの普及で近年増加傾向にある誹謗中傷被害ですが、「誹謗中傷被害に対して警察は対応してくれない」という声をよく耳にします。この記事では、なぜ警察は誹謗中傷被害で動いてくれないのか、警察が動いてくれる基準、警察が動いてくれない場合の対処法を詳しくご紹介していきます。
なんで警察は誹謗中傷で動いてくれない?
誹謗中傷によって被害が発生した場合、これは民事事件に該当します。民事事件とは、「個人同士や企業同士、または個人と企業との間の紛争の解決や、損害賠償請求などを求めて裁判所に提起されたもの」です。
民事事件から刑事事件に発展した場合は警察が動いてくれますが、そうでない場合、ほとんど警察の介入はありません。警視庁が公表している「平成30年度におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢について」によると、誹謗中傷の相談件数は11,406件あったのに対し、検挙率はわずか2%程度でした。このデータから見ても、警察は誹謗中傷被害で動いてくれないことが分かります。
警察が積極的に動いてくれない理由
警察が誹謗中傷による被害で動いてくれない理由はいくつか存在します。ここでは、主な理由を4つ紹介していきます。
- 「民事不介入」の原則がある
- 「表現の自由」の権利によって対応が難しい
- 事件の優先順位が低い
- 被害届には捜査義務がない
では、警察がなぜ動いてくれないのか、具体的に見ていきましょう。
「民事不介入」の原則がある
民事不介入の原則という言葉を、耳にしたことがある人も多いでしょう。これは、「警察は民事事件のような個人間の紛争には関わらない」という意味です。警察が介入するのは刑事事件からなので、個人同士や個人と企業間で起きた問題には介入できません。誹謗中傷被害もこれに当てはまります。
民事事件から刑事事件に発展した場合のみ、警察の介入がありますが、それまでは警察に相談しても動いてくれない場合がほとんどです。
「表現の自由」の権限によって対応が難しい
SNSやインターネットの普及で急増した誹謗中傷被害。誹謗中傷被害は事実ではない悪口や人を不愉快にさせるような言動で他人を傷つける行動を指し、インターネット上で発生することが多い傾向です。
しかし、インターネットへの書き込みを見て自分に対する誹謗中傷だと感じても、書き込んだ本人が「表現の自由」を主張してしまえば、警察側は強く追及するのが難しくなってしまいます。
表現の自由とは、憲法で定められた「個人が自らの思想・意見・主張・感情などを外部に表現し、発言する自由」のことです。これによって、書き込まれた側が誹謗中傷だと思っても、書き込んだ側が正当な主張や批判だと言い張ってしまえば、対応が難しくなってしまいます。
現在、表現の自由と誹謗中傷被害に関する問題は大きく取り上げられ、社会問題にも発展しています。最近では、誹謗中傷被害を減らすための対策なども講じられているようです。
事件の優先順位が低い
誹謗中傷被害を事件とせず、警察がきちんと取り上げてくれない理由として、優先順位が低いことが挙げられます。日本では日々警察の介入が必要な事件が多発していますが、その中でも誹謗中傷被害は直接ケガをさせられるといった実害が少ないです。そのため、警察が捜査を行う優先順位としてかなり低くなってしまいます。
さらに、後回しにすることでどんどん次の事件が発生して、その対応に追われてしまうので、結局警察が捜査を行うなどの動きを見せることはほとんどありません。
しかし、事件性が高い場合には対応してもらえる可能性もあります。警察に相談する際には、自分が受けた被害を詳細に伝えるようにしてください。
被害届には調査義務がない
誹謗中傷被害にあって警察への相談を検討する際に、まず考えるのは被害届の提出でしょう。被害届とは、「何らかの犯罪によって被害を受けたことを捜査機関に申告する書面」です。
原則として警察は被害届を受理しなければなりません。しかし、受理したからといって警察が捜査を行う義務は存在しないのです。優先順位が高い事件から捜査していくため、誹謗中傷被害に関する被害届は埋もれる可能性が高くなってしまいます。
誹謗中傷で警察が動いてくれる基準
誹謗中傷で警察が動く基準としては、刑事事件に発展する可能性があるかどうかです。誹謗中傷で科される刑罰は主に、名誉毀損罪・侮辱罪・信用毀損罪の3つで、企業相手の誹謗中傷であれば業務妨害罪に当てはまるケースもあります。誹謗中傷被害がこれらの罪に該当していると判断された場合は、警察が動いてくれる可能性が高いです。
また、インターネットの枠を超えた実害が発生したときにも動いてくれるでしょう。それまでは被害届を出しても動いてくれないことがほとんどなので、警察に相談する以外の対処法を考える必要があります。
誹謗中傷で警察に動いてもらうには?
誹謗中傷被害を事件として認めてもらうためには、違法性の高い事案であることをアピールする必要があります。では、どのような行動をとれば違法性が高いと判断してくれるのでしょうか。今回は3つの方法を詳しく紹介していきます。誹謗中傷に悩んでいる方や、周りにそういった方がいる場合に参考にしてみてください。
被害届には具体的な被害を明記
被害届を提出する際には、具体的な被害内容を記載しましょう。インターネットやSNSへの書き込みはいつあったのか、その他に受けた被害、被害を受けた回数などを細かく記載することで、刑罰の対象になると判断してくれる可能性が高くなります。
一度の書き込みではなく、同じ内容の書き込みが複数回あった場合は、回数が多くなるほど刑罰の対象になりやすいです。実際に「死ね」という書き込みを数十回繰り返し、誹謗中傷被害の刑罰対象になった事案が存在します。より詳細な内容で警察が動くきっかけになるでしょう。
告訴状を作成する
告訴状とは「犯罪の被害者が、捜査機関に対して被害事実を申告し、犯罪加害者の処罰を求める意思を表示する書面」と定義されています。被害届との大きな違いは、加害者に対して処罰を求める意思表示を行っていることです。
警察は告訴状を提出された場合、一定期間捜査対象にしなければなりません。捜査機関は告訴調書を作成する義務があり、捜査を行ったうえで事件に関する書類及び証拠物を送付する必要があります。警察に動いてもらいたい場合には、被害届だけでなく告訴状の作成も検討してみてください。
サイバー犯罪相談窓口に相談してみる
インターネット上での犯罪被害の急増を受けて、警察ではサイバー犯罪相談窓口を設置しました。相談窓口なので直接捜査につながるわけではありませんが、ここに相談したことがきっかけで誹謗中傷被害解決に至った事例がいくつか存在しています。
サイバー犯罪相談窓口は都道府県ごとに設置されているため、誹謗中傷被害に悩んでいる方は、まずは住んでいる地域の相談窓口に行ってみましょう。
警察が動いてくれない場合の対処法は?
誹謗中傷被害を受けた場合、多くの人は警察への相談を検討するでしょう。しかし、警察に相談する以外にも、誹謗中傷被害の解決の糸口はいくつか存在します。どうしても警察が動いてくれない場合には、他の対処法も検討してみてください。
自分でサイトや投稿に削除依頼を出す
誹謗中傷に該当する内容をインターネットサイトに書き込まれている場合、サイトの運営者に削除依頼を出せます。これは特別な機関に依頼する必要はなく、自分で行うことが可能です。サイト内に記載されている運営元に削除を依頼してみましょう。
また、書き込みをした投稿者が分かっているのなら、直接投稿者に投稿削除の依頼ができます。自分に対して悪意のある書き込みをしている人に直接メッセージを送るのは勇気が必要ですが、一歩踏み出して行動に移してみましょう。
弁護士に告訴状の作成を依頼
告訴状は記載内容が多く、自分だけで作るのは大変です。捜査機関によく理解してもらい適切な捜査を行ってもらうためには、弁護士に作成を依頼すると良いでしょう。
弁護士への相談・費用に関しては「誹謗中傷対策は弁護士に相談すべき?気になる費用の仕組みも解説」のコラムでまとめております。
弁護士は法律のプロ集団です。弁護士が作成した告訴状は、素人が作成した告訴状より説得力のある内容になります。ある程度費用は掛かってしまいますが、確実な捜査に結びつけるためには、弁護士に告訴状を作成してもらいましょう。
風評被害専門会社に相談
ネット上の誹謗中傷や風評被害への対処を行ってくれる、風評被害専門会社への相談も検討してみましょう。
誹謗中傷の被害を抑えるだけでなく、なぜその被害が発生したのか分析し再犯防止の対処法まで知ることができるのが風評被害専門会社のメリットです。誹謗中傷は根本的な解決が難しい事案ですが、専門業者に依頼すれば早期解決が期待できます。
弁護士への依頼よりも安く依頼できることも多いため、気軽に相談しやすいです。また、風評被害対策のプロが対処してくれるので、警察よりも素早く解決できる可能性も高いでしょう。
風評被害専門会社に依頼するメリット
誹謗中傷への対処法として風評被害専門会社を紹介しましたが、風評被害専門会社に依頼することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
ここでは、風評被害専門会社に依頼するメリットについて詳しく紹介していきます。「警察に相談しても解決に至らなかった」という方は、ぜひ風評被害専門会社に相談してみましょう。
迅速な対応が期待できる
風評被害専門会社は、誹謗中傷や風評被害に対する経験が豊富です。そのため、発生した事例に応じて、どのような対処をとるべきかを心得ています。
相談から実際の対処に移るまでにほとんど時間がかからず、早期解決が期待できるでしょう。警察へ相談した場合は、相談から被害届・告訴状の提出などいくつかの手順を踏む必要がありますが、専門会社への依頼はそういった面倒な手順がありません。早急な解決を望んでいる方は風評被害専門会社への依頼をおすすめします。
根本的な原因を見つけて再発防止につなげられる
誹謗中傷や風評被害は一度広まってしまうと収集するのが難しく、解決後も再発する可能性が高い被害です。しかし、専門会社に依頼すれば根本的な原因を見つけられるため、何度も繰り返し同じような被害を受ける可能性を減らせます。
特に企業の場合は、何度も被害にあうと業績悪化や採用困難などの二次被害に発展してしまうでしょう。風評被害専門会社へ依頼すれば再発防止につながるため、二次被害の発展も防ぐことができるでしょう。
気軽に相談しやすい
風評被害専門会社では無料相談も行っています。電話やメールでの相談に加えて、最近ではLINEで相談可能な専門会社もあるため、気軽に相談しやすいでしょう。
無料相談の段階で無理な契約を強いられることはほとんどありません。まずは無料相談や見積もりを行ってから、実際に依頼をするか、見送るかを判断してみてください。
ネットの風評被害全般に対応できる
風評被害専門会社はネットの風評被害に強く、個人ブログの非表示化対策から掲示板や口コミサイトへの対策、検索エンジンサジェスト対策、逆SEOまで、幅広く対処しています。
ネットに関する被害にお悩みの方は、まず風評被害専門会社に相談してみてください。警察が対応できなかった被害に対しても丁寧な対処が可能なため、安心して依頼できます。風評被害専門会社のHPには、過去に解決してきた事例や企業で得意としている風評被害対策の事例が掲載されている場合もあります。自分の被害と近い事例を解決している、もしくは得意としている専門会社に依頼すると、よりスムーズな解決が期待できるでしょう。
風評被害専門会社ならリスタート
リスタートでは、インターネットで発生した誹謗中傷、風評被害などのさまざまな事例を解決してきています。誹謗中傷でお悩みの方は、リスタートへの相談を検討してみてください。
最短即日で解決できて解決率は97%
リスタートは解決実績は豊富で、実績を生かしたスキルや経験によって最短即日の解決が可能です。解決率は97%で、ほとんどのネット被害に対応しています。
Googleサジェスト対策、ネガティブ口コミ対策、個人ブログ非表示化対策、掲示板などの非表示化対策、逆SEO、プライバシーに関わる記事の削除など、さまざまな被害にお悩みの方に対して適切な対処ができます。
成果報酬型で着手金0円
リスタートは着手金0円の成果報酬型です。依頼に対する成果に達成した時点で費用が発生するため、万が一解決に至らなかった場合は一切費用が掛かりません。成果報酬に関しても業界最安値で精度の高い対処を提供しています。無料相談の段階で見積もりも可能なので、お気軽にお問い合わせください。
メールやLINEからの無料相談も可能
無料相談は電話だけでなく、専用メールフォームやLINEでも行っています。相談には必要事項の記載と被害内容の選択のみなので、30秒ほどで完了するでしょう。電話をする時間がない、電話をするのは面倒という方でも、お気軽にご相談いただけます。
まとめ
弁護士に依頼して告訴状を作成してもらうなどの方法もありますが、素早い対処を求めるなら風評被害専門会社への依頼を検討してみてください。ネットの風評被害に対するプロが、素早く適切な対処を行っているので、最短即日での解決も可能です。誹謗中傷被害にお悩みの方は、まずは無料相談から行ってみてください。