インターネットユーザーの爆発的な増加によって、ホームページやECサイト、動画チャンネルなどを開設する企業も珍しいものではなくなりました。また、さまざまなSNSアカウントを開設し、エンドユーザーと直接的にコミュニケーションを図る企業も増えています。
これらは企業イメージやブランド力の向上において有効な手段といえますが、インターネット上に出回る情報は決してポジティブなものばかりとは限りません。時には事実無根の噂が流れ、深刻な風評被害を与えるケースも存在します。「ネットの噂に過ぎない」と捉え、無視するケースも少なくありませんが、このような風評被害を放置しておくと経営に大きな影響を及ぼす可能性もあります。企業において、ネット上の風評被害はどのように対策をすれば良いのか、詳しく解説していきます。
「ネット上の風評被害」とは
そもそも「風評被害」とは、誤った情報や噂、デマなどによって起こる経済的な損害のことを指します。
風評被害という言葉がよく聞かれるようになった一つのきっかけとして、東日本大震災が挙げられます。原発事故によって福島県産の農作物や海産物、さらには県内で生産された工業製品なども放射能による影響が噂され、根拠のない情報によって売上が大幅に低下した時期がありました。
インターネットが普及する前の風評被害
インターネットが登場する以前は、情報を収集する手段としてテレビやラジオ、新聞といったメディアがその大半を占めていました。各メディアの記者が取材をし、明確な根拠をもとに情報を発信していたため、企業や個人に対する風評被害は広がりにくかったのです。もちろん、個人間での伝聞によって噂が広がるといったこともありましたが、大手メディアの発信力に比べるとその範囲は限定的なものといえます。
インターネットが普及してからの風評被害
しかし、PCやスマートフォンが一般的なものとなり、いつでもどこでもインターネットを利用できるようになった現在は、誰もが手軽に情報を発信できます。そのため、仮に根拠のない噂であったとしても、それを信じてしまう人が多ければ一気に拡散し、風評被害を起こしてしまうリスクがあります。
ネット上の風評被害のリスク
一口に風評被害といっても、企業にとってはさまざまなリスクが考えられます。具体的にどのようなことが懸念されるのか、今回は4つのパターンに分けて紹介しましょう。
企業価値・ブランド価値の低下による売上減少
根拠のない噂やデマが風評被害として直接的に影響を及ぼすことといえば、企業価値やブランド価値の低下が挙げられます。
たとえば、多くのユーザーから「品質が高く安心して利用できる」という高い評価を得ているメーカーがあった場合、信頼性の高さが企業価値やブランド価値といえます。しかし、ユーザーが誤った使い方をしたことが原因で事故を起こし、そのユーザーが自身のブログに「◯◯という製品を使っていたら怪我をした」という投稿をしたとします。
ユーザーは自身の使い方に誤りがあったことを説明しなければ、「そのメーカーの製品に欠陥がある」と誤認する人が現れるでしょう。SNSなどでこのブログの内容が拡散されてしまうと、当該メーカーが長年にわたって築き上げてきたブランド価値は崩壊し、売上の減少につながることも懸念されるのです。
求人への悪影響
「ブラック企業」という言葉が一般化した現在、自社の従業員または、過去に在籍していた従業員によってネガティブな情報が拡散されるケースもあります。たとえば、企業や組織としてやむを得ない人事異動であったとしても、従業員本人にとっては不当な異動と感じられることもあるでしょう。そのような場合に、従業員がネット掲示板やSNS、転職サイトなどに「不当な異動を強いられた」と書き込み、それが拡散するケースがあります。
就職や転職先を選ぶ際にインターネットから情報収集をする求職者も多く、「ブラック企業」のレッテルが貼られてしまうと求人を出しても人が集まらないなどの悪影響が考えられます。
取引先との契約中止
コンプライアンスの遵守を重要な経営課題として認識している企業も多く、法令遵守だけではなく高い倫理観も企業に求められるようになりました。仮に、自社の取引先企業が「法令違反やコンプライアンス違反となるような行為をしている」という情報が広がった場合、経営上のリスクを考慮し、取引や契約を中止する取引先企業も出てくるでしょう。また、これまで取引を継続してきた企業だけではなく、新たに取引や契約を結ぶ際にも、経営上のリスクを考慮し候補から外されてしまうことも考えられます。その結果、風評被害を受けた企業は事業そのものを継続できなくなる可能性もあります。
融資への悪影響
銀行や信用金庫といった金融機関からの融資を受けている企業も多いと思いますが、風評被害によって企業の信用力が低下してしまうと、融資そのものが受けられなくなるリスクもあります。特に金融機関は企業の経営状態や信用を重視する傾向があり、悪評が広がってしまうと融資において厳しい条件が求められる可能性もあるでしょう。取引先との契約中止と同様に、風評被害は企業の経営および事業の運営に大きな影響を及ぼすリスクがあるのです。
ネット上の風評被害への正しい対策方法とは
「ネット上に書き込まれたネガティブな情報による風評被害は対策のしようがない」と思われがちですが、実は風評被害を防止するための専門業者が存在します。個人や一企業がネット上の情報を削除したり、検索にヒットしないようにすることは極めて難しいですが、専門業者へ依頼することで適切に対処できます。
たとえば、Yahoo!やGoogleといった検索サイトで企業名を検索したとき、関連ワード(サジェスト)としてネガティブな文言が表示されないようにすることや、個人ブログや掲示板などの非表示化などにも対応可能です。
サジェストに関する記事は「サジェストとは何か?ネガティブな検索候補を出さないようにする方法とは」をご参照ください。
「本当に効果があるのか?」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、風評被害対策の専門業者の中には成果報酬型を採用している企業も存在します。そのため、万が一成果が上がらなかった場合でも、費用は発生しないため安心して依頼できます。
自社に関する根拠のない噂やネガティブな情報がネット上に氾濫しており、風評被害に悩んでいる企業は、ぜひ専門業者へお気軽にご相談ください。